東洋医学と西洋医学
現代は東洋医学と西洋医学の良いところを融合し協力していく時代になろうとしています。
目次
東洋医学と西洋医学の違い
東洋医学と西洋医学は、それぞれ異なる考え方に基づいて治療を行っています。東洋医学は、陰陽五行説に基づいて、体内のバランスを整えることで病気を治すという考え方です。一方、西洋医学は、病気の原因を特定して、それに対して薬物や手術などの治療を行うという考え方です。
東洋医学の治療法には、鍼灸、漢方薬、気功、マッサージなどがあります。鍼灸は、細い針を皮膚に刺して、体内のエネルギーの流れを調整する治療法です。漢方薬は、天然の植物から作られた薬で、体内のバランスを整える効果があります。気功は、呼吸や体操を組み合わせて、体内のエネルギーの流れを調整する治療法です。マッサージは、筋肉や骨をほぐして、血行を促進する治療法です。
西洋医学の治療法には、薬物療法、手術療法、放射線療法などがあります。薬物療法は、病気の原因となる細菌やウイルスを殺したり、炎症を抑えたりするために、薬物を使用する治療法です。手術療法は、病気の原因となる部分を切除したり、取り除いたりする治療法です。放射線療法は、放射線を使って、病気の原因となる細胞を死滅させる治療法です。
東洋医学と西洋医学は、それぞれに長所と短所があります。東洋医学は、副作用が少ないという長所がありますが、効果が出るまでに時間がかかる場合もあります。西洋医学は、効果が出るのが早いという長所がありますが、副作用が出る場合があります。
東洋医学と西洋医学は、どちらが優れているということはありません。それぞれの長所と短所を理解した上で、自分に合った治療法を選択することが大切です。
東西万能薬の出会い
痛みが消えた
メイヨークリニックのリウマチ医師へンチは、同僚のケンダルが副腎から分離し、メルク社がグラム単位の合成に成功したコンパウンドEを入手します。かね てから黄疸や妊娠によってリウマチ性関 節炎が軽減することを観察していたヘンチは、黄疸や妊娠時に分泌される未知物質「サブスタンスX」を探索し、その本体がコンパウンドEであると確信していたのです。
1984年ヘンチは、20歳でほぼ寝たきり状態の女性患者に、コンパウンドEを1日1回筋注します。すると関節症状が劇的に改善、クリニックの廊下を介助なしで歩くまでに回復します。更に15人の患者にも投与し全例奏効、このコンパウンドEがコルチゾンで、ステロイド治療の歴史がここから始まります。これら東西万能薬の出会いの成果は翌4月に発表され、近代の奇跡と大きく報道されました。
万能の抗炎症薬
ヘンチ、ケンダル、ライヒスタインの三氏は1950年ノーベル生理学・医学賞の 栄誉に輝きます。 以来、強い抗炎症作用と免疫抑制作用をもつ多くの合成ステロイドが開発され、あらゆる種類の炎症を抑える、正に万能の抗炎症薬として使われるようになります。
ところがヘンチ自身は、既にリバウンドや副作用についての課題を認識し、臨床効果は認めながらも、ステロイドの使用に対しては極めて慎重であったと伝えられます。もともとヒトの生体成分でもあり、重篤な副作用は出ないだろうと予想する医師が多かった中、自ら開発し高く評価された治療法に対して、いち早くその弱点を指摘した姿勢には、多くを学ばされます。
全てが治る植物
東洋にはパナックス(全てが治る)と命名された植物があります。1~18世紀 にヨーロッパで大流行した高麗人蔘です。この大流行の名残で、万能薬を意味するパナックスを属名に付けたのですが、こちらは自然治癒を助けるものでした。
1960年代にソビエト政府は人蔘のアダプトゲン作用の研究を進めます。 苛酷な環境の中でも生命活動を維持する力を与えるもので、当時は有人宇宙飛行実現のための研究でしたが、実は苛酷な副作用という環境にも適用が可能なのです。
人蔘の臨床研究では、ステロイドとの併用や、抗がん剤との併用において、優れた結果が報告されています。 西洋と東洋とは、正邪や善悪として対立するものではなく協調し活かし合うために分立し発展した兄弟だったのです。