びわの葉療法(びわの葉温灸)で症状改善のために
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びわの葉療法
枇杷(びわ)は、種も葉も身体に良いと、昔から親しまれてきました。江戸時代、夏の暑い時期には枇杷葉湯といって行商が街々を売り歩いていたそうです。胃腸を整えて夏バテ防止になると、好評だったそうです。びわの葉療法の歴史も長く、人々から愛されてきた民間療法です。
<図は夏の枇杷葉湯売り 「四時交加」より(石川英輔氏蔵)>
びわの葉療法の歴史
1. 釈迦三千年の仏教医学
インドのお釈迦様の経典のひとつ「大般涅槃経」(だいはつねはんぎょう)の中で、枇杷の木は「大薬王樹」、びわの葉は「無憂扇」と呼ばれ、大変優れた薬効があると伝えられ、次のように記されています。「大薬王樹、枝、葉、根、茎ともに大薬あり、病者は香をかぎ、手に触れ、舌で舐めて、ことごとく諸苦を治す」
また、中国の明時代(1366-1644)に発行された「本草網目」(1956年、季時珍著、中国の本草学史上において、分量がもっとも多く、内容がもっとも充実した薬学著作である)の中にも、びわの葉・種・根・茎の効用についての記述があります。
2. 奈良時代に中国から伝来
びわの葉療法は、鑑真和尚(唐の僧侶で奈良時代に帰化し日本の律宗の開祖となった人物です)が、日本に伝えたとされています。また、聖武天皇のお妃の公明皇后が730年に「施薬院」(今の病院)を創設し、病人や孤児の保護・治療・施薬を行ったそうです。そして諸国から献上させた薬草を無料で貧民に施しました。東大寺正倉院所蔵の人参や桂心などの薬草も供されています。また、光明皇后自ら病人の看護を行ったとの伝説も残っています。この「施薬院」でも「びわの葉療法」がおこなわれていました。
3.金地院療法
大正時代から昭和の初期にかけて静岡県引佐郡細江町の金地院という臨済宗のお寺で河野大圭禅師が祖先から伝承された方法を完成させ、難病に苦しむ20万人以上の人々が救われたと言われています。やり方は、びわの葉を火で炙って、2枚をこすり合わせ、撫でる場所は腹部を6~7分、丹田とみぞおちを入念に行い、背、肩、腰、尻まで全部で10分程度行います。最後に局所に行います。患部に当てて、さすったり押したりしてマッサージする感じです。全国からびわの葉療法を求めて多くの人々がやって来ていたそうです。そんな中、後に花園大学学長、妙心寺派官長にまでなった山田無文師も結核で河野禅師を訪れ、びわの葉療法を受け、5ヶ月で完治したエピソードをご自身の著書で記されています。
多種多様な「びわの葉療法」
1. びわの葉を直接患部に貼るびわの葉湿布
葉は色の濃い古い葉を選びます。葉の裏には、産毛がついているので、これは、たわしなどで取っておきます。表側を患部に当てて貼り、体温によって葉が温められて薬効成分が少しずつ皮膚から浸透します。
2. びわの葉温灸(びわの葉に棒もぐさを使う方法)
葉に棒もぐさを当てる温灸で、近年全国的に普及しています。栃木県真岡市の長蓮寺が発祥と言われ、現在はそのお寺出身の濱田峯瑞先生や自然療法研究家の神谷富雄先生が普及しています。葉を患部やツボに当て、その上に棒もぐさを当てて温灸します。
3.びわの葉茶
葉を陰干しして、乾燥させ煮出してお茶にします。癖がなく飲みやすいのどごしです。
4.びわの葉エキス
葉を焼酎やホワイトリカーなどのアルコールに漬けてエキスを取り出して、使用します。葉を直接使用するよりは、手軽にでき、保存も長期保存できます。虫刺されの腫れから捻挫の痛みを緩和させたりできて、小さなスプレーボトルに入れて持ち歩くこともできます。
ままの森鍼灸マッサージ院での「びわの葉療法」
無農薬自家製びわの葉エキスを使用します。先端に不織布がついていて、これにエキスを染み込ませてお肌に密着します。温灸器は、棒もぐさを中で燃やしていますが、先端に遠赤外線を出すセラミックの石が装着していて、直接モグサの火がお肌につくことはありません。間接的にモグサの熱がセラミックの石に浸透して熱を伝え同時に遠赤外線も放射します。この心地よい熱でエキスが温まり、まるでびわの葉を火で炙って痛いところに擦りつけて癒やしたように、お肌から浸透し、更に温灸器で押さえることで、指圧効果をだして施術していきます。また、無作為に痛いところに当てるのではなく、五臓(肝腎心肺脾)療法のツボを中心に、経絡概念を元とした当て方をします。この事により、痛みのあるところと、その原因に働きかける事ができます。腰が痛かったのに、腰だけでなく、お通じまで良くなったという体験もたくさんあります。
びわの葉のエキスは、
「血液浄化作用」
「抗がん作用」
「鎮痛作用」
「殺菌作用」
などの作用があるそうです。
びわの葉療法を受けての感想は次のようなものがあります。
①受けた日の夜はよく寝れた
②受けた日は食欲が出てきた
③身体がポカポカしてきた
④お通じが良くなった
⑤気持ちが落ち着いた
これらすべては、元気になるには必要な事なのです。元気の土台をつくり、気持ちに寄り添って真心こめた施術を心がけます。つらい病気との闘いの支えとなり、心も身体も癒やされる治療院を目指しています。来られる全ての方が幸せになれますように願っています。